top of page

10 volta

​第10話

滞在記10話①.JPG

ジャンルーカ校長先生の誕生日。みんなでお祝い①

イタリアの大きなお祭り。

パスクワ(復活祭)週間で、イタリア国内がお祭りムードの中、

もう一つおめでたい出来事が重なった。

パスクワの話題は、第六話でも、説明しているが、お正月以上の賑やかなお祭り期間である。

留学先、ルッカ料理学院のジャンルーカ校長先生の誕生日だった。
アシスタントのマリエッラさん。

マリエッラさんは、どんな人なのか?
少し紹介してみたい。

滞在記10話①.JPG

ジャンーカ校長先生と助手のマリエッラさん。

 一言で言うならば、『ジャルーカ先生の片腕』いや、片腕、片足
それ以上なのかも知れない。

ジャンルーカ先生には必要不可欠な存在だと思う。
優秀なアシスタント。

イタリア人女性は強いという印象を持ったのは

マリエッラさんを知ってから。

容姿は、スリムなスタイル、小顔で美しい。


 その容姿とは想像もつかない程の動きを、レッスン最中発揮する。
重いレストラン仕様の鍋を振り回し、そして持ち上げる。
広い厨房内を、エスプレッソ(特急)以上に動き回り、

一人で何倍もの仕事をこなす。
日本語は、殆ど話せないので、イタリア語で指示が飛ぶ。

『ヤスゥーコ、貴方はこれを切って。炒めて。まだ入れちゃ駄目!』

時には激しく、そして的確な指示が飛び交う。

滞在記10話②.JPG

 先生に、手長エビの調理法を手ほどき中。

数日前のある日。
マリエッラさんが、私達生徒に、そっと耳打ちをした。
パスクワ(復活祭)は、ジャンルーカ先生の誕生日なのよ。

レッスンで誕生日を祝うから、先生には内緒ね!
私達は、Sⅰ(はい)Ho Capito(わかりました)!
お祝いを内緒で実施する。

ジャンルーカ先生は、どんな顔をするんだろう?
わくわくする。

イタリアに来て、先生の誕生日を、一緒に祝える事も光栄だった。

数日前に、初めてフィレンッエへ行った時、

ジャンルーカ先生に、みんなでTシャツをお祝いに買ってきた。

それも、内緒。内緒。笑


誕生日を祝う当日。外は快晴だった。

お天気のいい日、実習後の食事(お昼)は中庭に、イスやテーブルをセッティングし、食事をとる。

子供達と中庭.jpg

誕生日を祝う当日。 

テラスでの昼食前。先生の子供達が招待された♪

ここで余談。笑

イタリア人は、太陽が大好きな国民だと思う。

日本では、紫外線が強くなると、女性は、紫外線防止策に必死だと思う。

防止に日傘、手袋...アイテム多数である。

イタリア人女性と言えばサングラス(目の色素が薄いヨーロッパ人は、サングラスは必須アイテム)

くらいなもので、帽子は、ともかく、日傘なんて、滞在中は見かけた事が無かった。笑

街に点在しているレストランやバール(喫茶店)は、テラスから人が埋まる。

イタリアは、太陽が大好きだ。

天気がいい日は、みんなテラスでのんびりと食事をし、

会話も、物凄い速度で楽しんでいる。

楽しいイタリア。大好きな国。

先生の誕生日だけど、レッスンは、普段通りに始まった。

10時スタート。

滞在先のホテルと厨房は隣接しているので、

部屋でエプロン、三角巾姿で、ノート、カメラを持参して向かう。

『ヴォンジョルノ!』、『ヴォンジョルノ!ヤスゥ~コ!』

既に、厨房で材料の下準備をしているマリエッラさんに、挨拶を交わす。

ドルチェ生地.jpg

ドルチェの生地作り。

材料は、大理石の調理台で捏ねる。

厨房での実習前に、席に着き、

講師の先生からメニューの説明を受ける。
今日の講師は、ジャンルーカ先生。


 学院のレッスンは、ジャンルーカ先生だけが、

指導をしているわけではない。
4週間の実習中、各州から招かれたシェフ

(ジャンルーカ先生と親交の深い)が、私達に手ほどきをしてくれる。

トスカーナ州にいてイタリア各地の郷土料理を学ぶ事が出来た。

素晴らしい学院だ。

本日のメニュー

タコのカッチュッコ.jpg
ヤリイカ詰め物.jpg

・Clamari Pipieni alla Salasa di Pomodoro.
(ヤリイカの詰め物、トマトソース)

・Cacciucco di Polpi con Crostone di Pane.
(タコのカチュッコ、厚切りパンのクロスティーニ添え)

スズキニョッキ.jpg
黒鯛とナスロール巻き.jpg

・Gnocchi di Spigaola con Vongole Era Cipollina e Pomodori Arrostiti.
(スズキのニョッキ、アサリ・チャイブのトマトソース) 

ベリートルタ.jpg

Crostata di Ricotta e Frutti di Bosco.
(リコッタチーズとベリー類のタルト)

・Involtino di Filetto di Orata con Melanzane e Puree di Zucchini.
(黒鯛とナスのロール巻き、ズッキーニのピューレ添え)

以上6品。生徒が2班(各4名)に分かれて3品ずつ担当する。

出来上がった6品は、昼食と夕食に分けて食べる。

さすがの私も一度には食べれない。笑

品数が多いので、実習時間(約2時間)は、バタバタと厨房を動き回る。

先生の指示を、通訳さんを通して聞き取ったり、質問したり、写真に収めたり、ヘトヘトになる。

しかし、動きまわっている分、実習後の食事は、いつも美味しく全部ペロリとたいあげる事が出来る。笑

食べた感想は、平凡だけど『Buono!』美味しい!と叫んでしまう確立100%。

特に、ジャンルーカ先生のメニューは、とびきり美味しい。

実習メニューがほぼ完成した。中庭で、テーブルセッティングを行う。

昼食には、生徒の他、先生の友人や過去の卒業生もやってきて、食事をとる事が多かった。

今日は、ジャンルーカ先生の子供達も一緒のランチタイム。

勿論、招待したのは、マリエッラさん。

本日の、演出総監督である。

可愛い小学生の息子アレッサンドロと中学生のジュリアも一緒に先生の誕生日を祝う為に、自宅からやって来た。

先生と息子.jpg

ジャンルーカ校長先生と、一人息子のアレッサンドロ君。

サッカー少年だ。

食事が、メイン料理を食べ終え、残すは、ドルチェ(デザート)タイム寸前。

マリエッラさんが、消えた。

ジャンルーカ先生へのケーキを、そっと運ぶ為である。

心臓がワクワク踊ってきた。

私達は、ジャンルーカ先生に、悟られ無い様に普段通りに、わざとらしい?会話を弾ませていた。

先生の真後ろの、ドアからそっ~と。

ロウソクを灯したケーキを持ってゆっくりとマリエッラさんが、やってきた。

みんな目線は、そちらをチラチラ。

マリエッラさんが、合図をした!

『ハッピーバースデー』の歌を歌いながら、先生へと急接近!緊張の一瞬。

一斉に立ち上がり、みんなで合唱した♪

先生の顔は『照れたおちゃめ顔で、満面の笑顔』

シェフの帽子を脱いで『どうもありがとう!Grazie!』

最初に、日本語。そしてイタリア語で、有難うを述べた。

マリエッラさんが、『Buon conpleanno !!』 誕生日おめでとう!と叫ぶ。

私達も、おめでとう先生!と叫ぶ。

イタリアの太陽の下で、拍手と喝采が湧き上がる。
ジ~ンと来てしまった。

誕生日の様子①.jpg

後ろのドアから、そっとやって来たマリエッラさん。

ロウソクを吹き消した直後。

可愛い子供達を、強く抱きしめる先生。心が温かくなる瞬間。
学院のスタッフ(マリエッラさんや、秘書のイレーネちゃん等)からは
キッチンツールがプレゼントされた。

最近、故障してしまった、ミキサーが贈られた。

プロには、道具が一番!

翌日の実習から大活躍した。(笑)

プレゼントをもらう先生.jpg

学院のスタッフから、

心のこもった手紙と贈り物をもらう先生。

後方には、嬉しそうに、オチャメな笑顔の助手のマリエッラさんの姿。

『Quanti anni hai?』何歳ですか?

誰かが尋ねた。
先生は、日本語で『年の事は聞かないでえ~』

顔を真っ赤にして照れた。
年を重ねると、公表を躊躇するのは、世界共通のようだ。笑


イタリアの代表的なドルチェ・ティラミスで作られたホールケーキには、

先生の年齢が、ちゃっかり書いてある。(笑)

まだまだ若くて、エネルギッシュな先生。

年齢は、気にしないでね!

誕生日ケーキ.jpg

 誕生日を祝うケーキ『ティラミス』

ジャンルーカ先生は、腕もさながら、人柄が素晴らしい。
それを支えている優秀なアシスタント.マリエッラさん。

二人の信頼関係は深く、イタリアの太陽の様に熱い。


 ジャンルーカ先生がいる学院には、今後も、沢山の日本人、

そして世界各地から生徒が、手ほどきを受けにやって来るに違いない。
料理を習う事、それ以上の何かを学院で学ぶ事が出来る。

何かは、来てのお楽しみ♪
ジャンルーカ先生バンザ~イ!

先生ファミリーと生徒.jpg

昼食後に、先生の家族と記念撮影。

超ご機嫌なジャン先生。

今でも、この日を思いだすと、心が弾み嬉しくなる。

そして心が熱くなる。

 

ルッカ料理学院で学べた事に、感謝を述べたい。

Graze mille!

bottom of page